子どもも、人生も、非売品である
こんにちは。今回は以下の記事に対して思うところがあったので記事を書いてみます。
この記事の締めの文章が『私たちはコストパフォーマンスを考え、子供を作らない選択をしているだけだ。』となっているために、いささか炎上しているようです。
多くのブコメがすでに指摘しているように、この増田のスジの悪いところは、子どもについて「コストパフォーマンス」の面から語っているところだと思います。
子どもはいわば『非売品』ですので、市場的な費用対効果の考え方を持ち出すこと自体がスジの悪い考え方と言えます。手に入れた「かけがえのない一点もの」に対して市場的な価値にもとづくコスト計算をしたところであまり本質的な意味はないですよね。
ただし。どちらかと言うとこの増田が言いたいキモの部分はそういうことではないように思いました。上記の締めの文章はむしろ「売り言葉に買い言葉」に近いものでしょう。
増田の本当に言いたいことは:
『私の人生だって非売品である』
ということだったのではないでしょうか。
他人の人生をアマゾンレビューするな
『人のセックスを笑うな』という作品があります。
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秀逸なタイトルです。たしかに他人から自分のセックスを笑われたら嫌です。
では、もし他人から「自分のセックスをアマゾンレビューされた」らどうでしょうか。とっても嫌です。酷評された上、☆1つとか採点されたらもう二度と立てなくなるくらいのショックを受けるでしょう。
もし、私がAVに出演しているのであれば、アマゾンレビューされるのも仕方ないかもしれません。しかし、私はAVに出演しているわけではありません。
私のセックスは「売り物」ではないのです。
そう。
そして。私のセックスが「売り物」ではないのと同様に、私の人生もまた「売り物」ではないのです。
残念ながら、この世の中には「売り物」でもない他人の人生にたいして「アマゾンレビュー」みたいな評論をひけらかしてくる人たちが大勢います。
人生のコスパを語りたいなら、まず人生のベネフィットを語ってみせろ - シロクマの屑籠
「君の人生は、深く考えてないから☆2つだな」「子どもを持たない人生なんて☆1だね」とか、頼んでもないのにそんなアマゾンレビューをかましてくる人たちが大勢います。
でも、ひとの人生というものは「売り物」ではないのです。他人から勝手にアマゾンレビューされる筋合いのものでは全くありません。
人それぞれ、人生は「かけがえの無い一点もの」なのです。非売品です。みんないろんなそれぞれの事情を抱えて生きてるんですよ。そしてまた、それぞれの人生において、それぞれの「かけがえの無いもの」を抱えているわけですよ。
先の増田が本当に言いたかったこと --- かどうかは分かりませんが、私が先の増田から読み取ったメッセージは以下のようなものです:
「他人の人生を勝手にアマゾンレビューするな。私の人生もまた非売品である。」
そう、あなたの人生もまた非売品であるように。
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